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老人喰い:高齢者を狙う詐欺の正体

Posted on 2017年7月8日 | No Comments

活字で読む、ウシジマくん的な一冊。

取材で得たネタを繋いでいたら、小説みたいになっちゃいました、という感じで読みやすいのだが、しっかりした分析やデータなどを期待すると、少々肩透かしなところもある。水は高きところから低きへ流れるのだが、階級社会においては、金は高いところに留まるばかり。その留まる金を狙うハンターのように描かれる詐欺グループの若者たち。ダークサイドのよくあるビルドゥングスロマンとも読める。

世代間に横たわるルサンチマンを明確にしたうえで、老人喰いの正体に迫るのは、わかりやすぎるきらいもあるが、薄らぼんやりこの詐欺をみてきた人に、指針を与えたことは評価できる。ある意味で、読者に対して、ルサンチマンを共有する作業、共感させているようにも感じる。悪はどう描いても、魅力的にならざるを得ないのだ。

いわゆるオレオレ詐欺の歴史、現在進行形の動きなどについても、わかるところが面白い。特にヤクザが介入するようになって、どう詐欺の形態が変化したのかというところは、とても興味深い。

肯定されることはけっして無いだろうが、共感されるおそれはたぶんにあるだろう、そんな一冊。

高齢者を狙う犯罪とは、圧倒的経済弱者である若者たちが、圧倒的経済強者である高齢者に向ける反逆の刃なのだ。


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