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まばたき

Posted on 2017年4月3日 | No Comments

歌人である穂村弘と、絵本作家の酒井駒子。そんな二人がつくった絵本は、ちょっと不思議で、ちょっと怖く、短いけれど、なんとも言えぬ余韻に包まれる、そんな一冊。

まばたきとは、つまり瞬き。ちょうちょが飛び、時計の針が12時を告げる、猫が鼠を捕えて、角砂糖が紅茶に沈み、溶ける。そして、少女によびかけるとき……さまざまな瞬間をとらえ、表現したこの作品は、簡潔で無駄のない構成と、シンプルで計算されていながらも、飽きることのない深い色を湛えた絵がたまらなくよい。

世界は連続しているようで、まばたににより、瞬間の積み重ねに還元されている。まばたきの時間は、およそ100~150ミリ秒。その一瞬の暗闇の世界を、暴き出す――ストップモーションアニメのコマを止め、瞬間をあぶりだすように。そこに映っているものは、いったい何なのか。魔的な、それでいて魅力的な何か。

美しいけれど、怖い絵本。

まばたき




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