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BEATLESS

Posted on 2017年2月21日 | No Comments

いまから100年後の未来。hIEと呼ばれる人型アンドロイドが、生活のなかにあたりまえに存在する社会。人類の知能を超えた超高度AIの存在。人類の技術をはるかに凌駕した人類未到産物の誕生。

政治すらhIEに任せることが検討されはじめたそんな時代。17歳の少年アラトは、黒い棺桶のような巨大なデバイスを持つ美少女hIEレイシアに出会う。このレイシアこそが、超高度AIヒギンズの子であり、超高度AIが作り出した人類未到産物のひとつなのだ。

人類を超えた存在でありながら、心が存在しないモノであるhIEレイシアのオーナーとなったアラトは、その存在に戸惑いつつ、時に疑い、翻弄され、そして惹かれながら、最後の選択を迫られる。モノがヒトを超える知性を得たとき、ヒトがモノをただこれまでのように使うのか、モノがヒトを使うのか、モノにヒトは必要なのか。ヒトとモノのボーイミーツガールの結末は……

アラトとレイシアを物語の中心に置きながら、アラトの友人ら、大人たちとの葛藤、レイシアの姉妹機たちとの闘いなど、いくつかのエピソードというか、バタバタとした展開をはさみながら、冗長さを感じて少々ダレつつも、物語の核心に向かう後半は、謎が解けつつ、同時にまた疑惑が生まれ、盛り上がっていく。

人間はそのモノのカタチから受ける印象に引きずられて、モノに対し感情があるかのように受け取り、勘違いをしてしまう……このhIEによる人間に対するアナログハックという考えが面白い。

行動的ゾンビ、もしくは哲学的ゾンビを、人は単純に見極めることはできない。不気味の谷は超えたが、シンギュラリティを扱った物語である本作は、アンドロイド同士もしくは軍隊との派手なバトルや、SF的ギミックも多数登場するが、基本にはモノとヒトの関係を丹念に描いている。本作で提示されるアラトとレイシアが辿りついた結末は、答えではなく未来に対する問題提起であろう。

ただラノベのごとく萌えるもよし、セカイ系に身を任せてみるもよし、SFらしいSFとして読むもよし。

BEATLESS




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