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知の逆転

Posted on 2016年12月26日 | No Comments

マサチューセッツ工科大学(認知科学学部)を卒業し、ハーバード大学の修士課程で脳科学を専攻、元NHKディレクター(さらに言えば、ノーベル生理学・医学賞を受賞した利根川進氏の妻)である、サイエンス・ライター 吉成真由美氏がおこなった、錚々たる世界の知識人、知の巨人と称される人物へのインタビューをまとめた一冊。

登場する知の巨人は、文明についての考察をまとめた『銃・病原菌・鉄』でピューリッツァー賞を受賞したジャレド・ダイアモンド、「普遍文法」を提唱し言語学に革命をもたらした、さらに過激な政治的言動も多いことで有名なノーム・チョムスキー、神経学者で『レナードの朝』や『妻を帽子とまちがえた男』の著者であるオリバー・サックス、人工知能の父として知られるマービン・ミンスキー、誰も知らないインターネット上最大の会社 アカマイ・テクノロジーズの中心人物であるトム・レイトン、DNAの二重らせん構造を解明し、ノーベル生理学・医学賞を受賞したジェームズ・ワトソンの6名。

どんなに素晴らしいインタビュイーを用意したとしても、インタビューの質は、インタビュアーの技量によって、よくも悪くもなるだろう。本作のインタビュアーはさすがで、知の巨人たちそれぞれから見事に彼らの考えを引き出しており、彼らの著作を押さえているところから、しっかり準備してきたのがわかる。だからこそ、ここから何か新しいことが、生まれているわけではないのだ。

このインタビュー集は、それぞれ知の巨人たちの業績と考えをなぞるような、彼らの著作や作品へのよきガイドとなっている。ただ、どれを読んでも、続きは本編でお楽しみください、という感じで、インタビューにもっとボリュームがほしい。インタビューの質として、文句のつけようはないが、本書のタイトルから、知×異のような、刺激的な対話を期待したのだが……

インタビューという形をしたブックガイド、もしくは無限に広がる知の世界への足がかりとしての一冊。

知の逆転




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