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メッセンジャー 緑の森の使者

Posted on 2016年8月21日 | No Comments

『ギヴァー 記憶を注ぐ者』、『ギャザリング・ブルー 青を蒐める者』に続く、ギヴァー三部作(と云われていたが、のちに作者が続編を書き足したため、四部作となった)の第三弾となる本作。前作にて示唆されていたキラの父親が住む村が舞台となっている。

本作の主人公は、前作で最下層民の子として、泥だらけの野生児として描かれていたマット。あれから数年、成長し音節が加えられ、マティと名乗るようになった彼は、キラの父親とともに、指導者 ジョナスの村でメッセンジャーとして生きている。村の指導者、リーダーとして尊敬されているジョナスとは、ギヴァーの主人公でコミュニティを飛び出したあの少年だ。そんな第1作と第2作の人々が繋がり、物語が動き出す。

ジョナスがリーダーとして指導し、安全で平穏だった村に起こる異変。不気味なトレード・マーケット、村人たちに広がる疑心暗鬼と排他的な心、愛憎と欲望、村を囲む森の変化……当初、三部作として書かれた最終作品として、大団円を迎えることなく、謎をたくさん抱えたまま、終わってしまう。これで三部作、完とされても、納得できる読者は少ないだろう。著者が続編を書き足したというのも、止む無し。

いきすぎた管理社会を描いた近未来SF、もしくは反体制小説、ディストピア的世界観の寓話的物語を楽しむ、そんな前2作だったが、今作は神話的物語となっている。森が意思をもって、侵入者を襲い始めるというクライマックスまでの展開は、物語のタガが外れた感で、突然の荒唐無稽っぷりに驚くが、ヒーラー 癒す者が命を失ってまで森を鎮めるという展開にも驚いた。

ギヴァーで描かれたコミュニティの現在と、ギャザリング・ブルーやメッセンジャーの村との関係、森の変化の意味、トレード・マーケット=トレード・マスターの正体、キラやマティが持つ力の意味などなど、広がりまくった世界をどのように収束させるのか、真の完結編となる次作が待ち遠しい。

メッセンジャー 緑の森の使者



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