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ギャザリング・ブルー 青を蒐める者

Posted on 2016年8月11日 | No Comments

『ギヴァー 記憶を注ぐ者』の続編、ギヴァー三部作(と云われていたが、のちに作者が続編を書き足したため、四部作となった)の第二弾。前作とは別のコミュニティを舞台としている。

ギヴァーにおけるコミュニティは、あらゆるものが徹底管理された、美しく無駄を排除したハイテク管理社会だったが、今回舞台となるのは、原始的で野蛮、文明文化的にも劣る中世の村といった感じのコミュニティだ。

主人公は、生まれながら脚に障害を持つ少女 キラ。これまでキラを保護し助けとなっていた母親の病死から、物語がはじまる。孤児となったキラは、欠陥のあるものに非寛容な村のおきてに従い、守護者評議会の評定をうけることになったのだが――ハイテク/中世というコミュニティの違いはあれど、無駄なものを徹底的に排除し、欠陥は世に出さないという感覚は、どちらのコミュニティも共通して持っている不気味さ。

評定の結果、刺繍に天与の才があったキラは、評議会に保護され、仕事を行うことになる。彫刻に才があるトマス、歌の名手ジョー、さらに染色の技術を持った老婆、そして最下層民の少年 マットに出会ったキラは、やがてコミュニティの秘密の一部を知ることになるのだが……

歳を経るごとに名前の音節が増えていく、女性は文字を覚えることが禁じられている、労働力にならない存在は排除される、外の世界の情報は一切入ってこない、一部の権力者が村の秘密を握っている、森には獣がいるため入ることができないなどなど、正しいようでいて、どこか不思議で不条理な世界。そんなコミュニティという狭い世界のなかで、個がどのように生きていくのかを問う物語。キラが物語の最後で、どのような選択を行うのかは、ギヴァーと対比して読み比べてみることで、深みと意味がよりはっきりするだろう。

とはいえ、この物語はまだ中途。このキラの選択がどのように世界を変えていくのか、しっかりと見届けたい。

ギャザリング・ブルー 青を蒐める者



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