> | | > 伊藤彦造 降臨! 神業絵師

伊藤彦造 降臨! 神業絵師

Posted on 2016年3月24日 | No Comments

伊藤彦造の神業が、まとめられた一冊。

神業とあるとおり、細密でありながら大胆で力強い構図は、テクニカルな面での素晴らしさがある。さらにそこから、テクニックを突き詰め、超越したところに、彦造の魅力が凝縮されている。

描かれる人物の艶めかしい生/性、相反する死を感じさせる魅力と、ヒロイックでありながら、ある意味ポップなキャラクター像。伊藤彦造という画家が描く絵から立ち上るのは、鬼気迫るまでの迫力と、神々しく純粋な人間の輝き、そして通奏低音のごとく、どの絵からも死の覚悟を感じさせている。

剣豪 伊藤一刀斉の末裔に生まれた伊藤彦造は、幼き頃より剣術に親しみ、真剣での修行を行ってきた。そんな経験を生かし、新聞や少年倶楽部など雑誌の連載小説の挿絵でよく知られるようになり、人気を博した。満州事変の翌年に描かれた『神武天皇御東征の図』は、自らの腕を切った血を絵具代わりに描いたもので、陸軍大臣 荒木貞夫に贈ったというエピソードは、まさに彦造らしい。

残念なのは、本の判型が小さいため、絵の持つ迫力が真に伝わりにくいことだ。しかし、年表などとともに、多くの図版がまとめられており、伊藤彦造という画家・絵師の仕事を概観するには、非常によい一冊となっている。花輪和一など現代の絵師に連なる系譜の一人、伊藤彦造をしかと感じよ。

伊藤彦造: 降臨!神業絵師 (らんぷの本)




Leave a Reply

量子的跳躍 quantum leap. Powered by Blogger.