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ゴリアテ  ロリスと電磁兵器

Posted on 2015年8月11日 | No Comments

スチームパンクな世界での、第一次世界大戦を描いた三部作の最終巻。対立するふたつの勢力、遺伝子操作された動物を基盤とするイギリスなどダーウィニストと、内燃機関など機械文明を発達させたドイツなどクランカーは、ヨーロッパ全土にその戦火を広げる。公子アレックと兵士になるため男装した少女デリンをのせた巨大飛行獣リヴァイアサンは、シベリア、日本、そしてアメリカを目指す。

ノラ・ダーウィン・バーロウ、ウィンストン・チャーチル、ニコラ・テスラ、ツングースカ大爆発、ウィリアム・ランドルフ・ハースト、ジョセフ・ピューリッツァー、フランシスコ・パンチョ・ビリャ、メキシコ革命、豊田佐吉、御木本幸吉などなど、実在の人物が多数登場し、物語に彩りを添えるだけでなく、ときに物語を動かす重要な役目を負っている。あったかもしれない世界ではなく、過去と未来が融合した誰も見たことがない世界=スチームパンクは、なんとも魅力的だ。史実を知っていれば、この物語の面白さもさらに増すし、作者が描きたい世界も深く見えてくる。

第一次世界大戦の行方よりも、アレックとデリンの恋の行方が気になるところだが、果たして身分の違いを超えて、また少年と男装少女のあいだに恋は生まれるのか……若干欲求不満を残しつつも終わりを迎える物語であるが、これくらいの余白があるほうが、読後を楽しめるのかもしれない。

ゴリアテ-ロリスと電磁兵器- (ハヤカワ文庫SF)




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