> | > リヴァイアサン クジラと蒸気機関

リヴァイアサン クジラと蒸気機関

Posted on 2015年8月4日 | No Comments

スチームパンクな世界での、第一次世界大戦を描いた三部作の開幕編。この物語の舞台となるのは、開戦直前1914年のヨーロッパ。世界はふたつの勢力、遺伝子操作された動物を基盤とするイギリスなどダーウィニストと、内燃機関など機械文明を発達させたドイツなどクランカーが拮抗していた。深まる対立、その火種は、オーストリア大公夫妻の暗殺を発火点としてヨーロッパ全土に広がる。現実の史実をベースとしながら、スチームパンクな世界が広がる。

両親を殺された公子アレックと、男装し英国海軍航空隊に志願した少女デリン。ふたりを物語の軸に置きながら、アレックを支える従者や謎の生物学者など、魅力的な脇役たちや、さまざまなガジェットと生物と兵器など奇妙なテクノロジー、舞台となるヨーロッパの世界観が魅力的な作品である。

タイトルのリヴァイアサンとは、ダーウィニストが創り出した生物兵器である巨大飛行獣のこと。その形状は飛行船であるが、気嚢の部分がクジラのような生物なのである。このほかにも、遺伝子操作された奇妙な不気味な動物兵器、また動物ガジェットがたくさん登場する。対するクランカーは、内燃機関を発達させたゴツゴツした多足歩行戦車兵器。鉄と油、好きなひとは好きだが、生物兵器に比べると魅力が薄い。

激しい戦闘あり、奇妙なガジェットあり、魅力的な世界観と設定あり、友情からはじまる育ちも身分も違うボーイミーツ男装ガールあり、ジュブナイルの王道なSF作品。

リヴァイアサン クジラと蒸気機関 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)




Leave a Reply

量子的跳躍 quantum leap. Powered by Blogger.