> | > 現場主義の知的生産法

現場主義の知的生産法

Posted on 2015年4月17日 | No Comments

知的生産法といいつつも、中身はといえば、現場主義への愛に満ち溢れている。ある意味で知的生産法批判でもあるのが面白い。

安易なアンケートや通り一遍の調査を批判し、現場からはじめることの重要性を説く。日本の製造業の世界的な優位性の背景には、町工場の集積があることを解明し、その後も日本やアジア各国の工場集積を調べつくしている、超!現場主義者の著者の言葉には、強い説得力がある。

また、著者は調査に対するアウトプット=出版の重要性についても触れている。地域産業論において名の知れた著者自らを中心とすることで、出版することに対するハードルを下げている。つまり後進と連名にして出版することで、出版を育成のためのツールとして利用しているのだ。なかなかにしたたかであり、意識的に研究者の育成を行っていることがわかる。

なにより、本書では、著者の関満博のフィールドワークを追体験できることが魅力である。滞在2週間の海外フィールドワークで、なんと40~50の現場を調査、踏破するというから、驚愕である。手荷物ひとつで海外へという旅行術も、経験からの知恵とはいえ、男気溢れている。

フィールドワークの極意は、とにかく現場に足を運べ、何年も通え、一生つきあう覚悟を決めろと、シンプルだ。現場を味わい尽くすための一冊。

現場主義の知的生産法 (ちくま新書)




Leave a Reply

量子的跳躍 quantum leap. Powered by Blogger.