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図説 世界があっと驚く 江戸の元祖エコ生活

Posted on 2015年1月23日 | No Comments

ここ数年、ずっと気になってる江戸時代。本書は江戸とエコという視点でまとめられたもので、図説というとおり図版が豊富に掲載されている。江戸の生活のリアルを、当時の風俗を描いた図版で紹介しているものだ。

江戸のエコは、最新のテクノロジーを駆使して環境に優しい新型があるから、古いものは捨てちゃいましょう的な、どこがエコなのかさっぱりわからない、最近のエコとは一味違う。江戸のエコの基本は、ものを持たない、捨てない、捨てたものを再利用して循環させるというもの。圧倒的に正しい。

興味深かったのは、庶民の住居である長屋だ。狭いのなんのって、6畳3坪のなかに、流しから、土間から、カマドまで収まって、家族で暮らすのだから、今の感覚からすると想像できない。しかし、結局は暮らし方なのだ。道具といえば、料理に使うちょっとした鍋と、食事に使う膳、そして夜具に火鉢などがあるだけ。

料理の食材は、様々な行商人がやってくるので、その日その日に必要なものを買う。風呂は銭湯だし、狭い家にいても仕方がないから、外へ繰り出す。宵越しの銭は持たない、という生活パターンだ。どうしても急に必要になったものは、長屋のなかで貸し借りがあったりできるのは、普段からご近所同士のコミュニケーションがあるからこそ。

また、循環型社会としての江戸もすごい。都会の糞尿が下肥として買い取られ、近隣の農村部へ運ばれ、野菜の肥料となる。そして農村部で作られた野菜が、江戸へ運ばれ、売られ、消費され、大名から下々の庶民の口に運ばれ、また糞尿として買い取られる、という循環が完成していたのだ。

さらに、着物の循環もすごい。呉服屋から着物を買うのは、上級武家や富裕層たち。ここで着古したものは、古着屋に売られる。その古着を購入するのは、庶民だ。庶民はとても贅沢はできないので、古着を直してオシャレする。さらに、それを仕立て直して、子供用にしたり、さらに古くなると、下着や夜着に。もっとダメになると雑巾になり、いよいよ雑巾まで使い古してしまうと、燃料として薪や焚き木の代用となる。燃えて灰となってからは、土に混ぜられて肥料となり、これが綿や麻を育て、蚕の餌となる桑の葉になり、織り職人や染め職人の手を通って、呉服屋へと循環する。すごい。

こんな江戸のエコな工夫と仕組みと思考法が、いろいろ詰まった一冊。

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