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働かざるもの、飢えるべからず。

Posted on 2014年12月1日 | No Comments

ベーシック・インカム=BIについて、ストレートに書かれている本書。冒頭から、人間はなにも作っていないと、かなり飛ばしている。農家はコメを作ってるのではなく、コメを作ったイネから収奪しているというのだ。つまり、自然からすれば人は働いたことがないというわけである。植物から、その実を奪うのが農業。植物以外からも、奪えると学んだのが工業。人も収奪の対象になると学んだのが、サービス業というわけだ。
働くか働かないかは問題ではなく、誰が持っているべきなのか、ということが問題だと論は進む。

次に、トリクルダウンは嘘と切り捨てる。トリクルダウンとは、富が一極に集中するのはしょうがないことで、富を持つ人は富を存分に使ってくれるから、経済がまわるのだ、我々も恩恵を受けているのだ、という富の一極集中を肯定する考え。

より安く、より良いものを手に入れようとこだわることが、富の集中をもたらしているという説明には、妙に納得できる。より良いものを、より安くという消費者の強い意識=圧力が、強ければ強いほど、旧来の商店街はさびれて、富の一極集中がおきる。商店街が敗れ、大企業が勝つのではなくて、大企業でも果てしなくその淘汰は起きる。
消費者の目が肥え、それに合わせて品質を向上させ、厳しい価格競争を闘いつづけている結果が、この世界を生み出している。

本旨であるベーシック・インカム=BIの話に戻ると、著者はベーシック・インカム=BIの財源として、相続税100%を提案している。
まずは、ベーシック・インカムという社会制度としての考え方があること。それにより、どういう世の中になるのだろうか、と想像するのが楽しいではないか。本書をベーシック・インカム=BI議論の端緒としたい。

後半のアルボムッレ・スマナサーラとの対談は、大変面白いものなのだが、本書の中にあっては唐突で、雑談的で、ベーシック・インカムについて触れているのもわずかなので、おまけか、付け足しにしか思えない、典型的蛇足。

働かざるもの、飢えるべからず。




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