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シャーロック・ホームズの栄冠

Posted on 2014年10月20日 | No Comments

シャーロック・ホームズのパロディ&パスティーシュ集。クマのプーさんで有名なA・A・ミルンに、ハードボイルドなロス・マクドナルド、クトゥルフ神話なオーガスト・ダーレスなど、錚々たる作家による作品が並べられている。シャーロッキアンというわけではないが、読んでみた。

本書の収録作品のほとんどは、これまで未訳であったり、単行本化されてこなかったものを集めたもの。マニアにとって、希少価値は高いのだろうが、単に面白くないから、これまで出版されなかっただけかもしれない。

日本語ではわかりにくいギャグ、駄洒落はしょうがないとしても、ただただお馴染みのキャラクターたちのドタバタ劇は、読んでいて飽き飽きしてくる。唯一面白かったのは、モリアーティ教授のその後を描いた『小惑星の力学』だ。アメリカで老人の介護をしている女性の視点で描かれた物語は、モリアーティ教授の異様な魅力をじゅうぶんに引き出している。

編訳の北原氏による注釈や解説が、かなりしっかりしているので、シャーロック・ホームズの世界観をマニアックに楽しめる人には良いだろう。

細やかで鋭い観察眼をもとに、推理と洞察を積み上げ、そこから一気に結論を導き出す。推理の過程をブラックボックスとしたまま、唐突に答えだけを突きつける。久々にそんなホームズの推理を、読んでニヤリとしたくなった。パロディ&パスティーシュではなく、オリジナルを読みたくなる一冊。

シャーロック・ホームズの栄冠 (論創海外ミステリ)




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