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西の魔女が死んだ

Posted on 2013年1月11日 | No Comments

ちょっとしたきっかけで登校拒否となった少女、出張中のちょっとおっとりした父親、バリバリ働くキャリアウーマンの母親、田舎に住むイギリス人の祖母、粗野な田舎の男。学校を休んでしばらくゆっくりした生活をとやってきた祖母の家。祖母の家系が魔女の血筋だと知った主人公の少女は、祖母のもとで一緒に生活し、魔女修行を始める。「魔女修行」といっても、現実離れしたファンタジーも魔法も出てこない。それは、自分の意志の力を強くすること、何事も自分で決めること。そのための第一歩が、規則正しい生活をするという地味なものだ。

田舎に住む祖母のもと、朝は飼っているニワトリの卵をとってくるところから始まり、野苺を摘んでジャムをつくったり、ハーブで草木の虫を防除したり、ハーブを料理に使ったり、自分でベッドメイクして、シーツやタオルを決まった場所にちゃんと収納し、しっかり食事をとって…身近な自然を自由に強く感じながら、祖母と二人だけの心地よい生活を続ける。ちょっとした事件も起きたりするが、祖母との生活から、少女は立ち直りのきっかけをつかんでいく再生の物語。

少女と祖母の対話のなかで、少女の自問自答のなかで、自然に対する考え方、人としての生き方、そして死に方まで、短く簡潔な物語のなかに描かれ、はじめから予定されたこととして爽やかな終わりを迎える。

地に足がついていないスピリチュアルは、ただのまやかしではないだろうか。

西の魔女が死んだ (新潮文庫)




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