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森の奥の巨神たち ロボットカメラがとらえたアジアゾウの生態

Posted on 2012年4月13日 | No Comments

ロボットカメラと聞いて、「クマミール」「マタミール」でおなじみの宮崎学を連想してしまったが、本書の対象はアジアゾウ。また写真のすべてがロボットカメラによる撮影ではない。ジャングルの奥深くに生息するアジアゾウ=巨神の生態に迫る写真集。

ゾウは最初から長い鼻とキバを持っていたわけではない。今から5000万~6000万年前に棲息していたイノシシにもブタにも似たメテリウムから派生して、少しずつ現生のゾウの形になっていく過程をたどる。その途中、4本のキバをもつものなどいろいろな形のゾウの仲間が現れ、やがてこの中からゾウ科としてゾウの仲間が生まれた。私の野生ゾウの研究の発端となったマンモス(ケナガマンモス)も、実はゾウ科の仲間である。今から500万年前のアフリカがその発祥の地となる。ゾウ科はロクソドンタ属、エレファス属、パレオロクソドン属、マムートス属の4つに分かれた。マンモスをはじめ何種類かの古代ゾウが淘汰され消えていく中で、ロクソドンタ属はアフリカ大陸に留まって、現在のアフリカゾウとなる。エレファス属は、寒い環境に適応しながら北へ向かっていったマムートス属とは反対に、インド、東南アジアに進出し、生きながらえて今日のアジアゾウとなる。野生のアジアゾウがアフリカゾウと大きく異なる点は、その体の大きさなどよりもその棲む場所であろう。アフリカゾウが見通しのきくサバンナで暮らしているのに比べ、アジアゾウは通年深い森の中で暮らしている。これが調査する側にとってはなかなか難問であり、野生で暮らすアジアゾウの情報が少ない理由のひとつとなる。

巨神と喩えられるに相応しい神々しさを感じるアジアゾウの写真の数々。写真に添えられている文章も、アジアゾウやジャングルの動物たちの生態、またジャングルの動物たちを密猟者などから守るレンジャーたちの活動など、多く深く知ることができる素晴らしいもの。

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