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ピュリツァー賞 受賞写真 全記録

Posted on 2012年4月8日 | No Comments

時代の象徴となり世界に配信された写真から、
何気ない日常を切り取った写真まで、
アメリカと世界を、フォト・ジャーナリズムは
どう伝えてきたか。
写真部門が創設された
1942年から2011年までの受賞作を網羅。

ピュリツァー賞とは
アメリカの新聞王ジョゼフ・ピュリツァーの遺言により、ジャーナリストの質の向上を目的として1917年に設立された。委員会はコロンビア大学に置かれ、受賞対象は報道のみならず、文学、音楽と幅広い。報道写真部門は1942年に設けられた。報道部門はアメリカの新聞に掲載された記事・写真を対象とするが、報道される内容は全世界にかかわるため、時代を反映した記事が受賞作に選ばれることも多い。これまでに写真部門で受賞した日本人は3名いる。

1942年から1961年を第1期 大判カメラと初期のピュリツァー賞受賞作品、1962年から1969年を第2期
カメラの小型化、ベトナム戦争と公民権運動、1970年から1980年を第3期 新たな賞、特集写真部門の創設、1981年から2002年を第4期
カラー写真、デジタル化、女性写真家、アフリカ、2003年から2011年を第5期
デジタル革命と、年代ごと5期にわけて大きく時代と報道写真の流れをとらえている本書。

ピュリツァー賞70年余りの流れを、その写真とその背景や時代の動きと共に味わうことができる本書であるが、少々絶望的になってしまうのは、戦争、暴力、死といったキーワードが連綿と続いていることだ。

そんな写真のなかにあって、1982年 特集部門で受賞したジョン・ホワイト『ある男のシカゴ』という作品が清涼剤のように心地よい。

彼の写真は一貫したストーリーを語るものではなく、ひとつのテーマを追求したものでもなかった。それは、1人の報道写真家の備忘録であり、ホワイトが自分の生活の場であり、仕事の場でもあるシカゴを歩きまわってフィルムに収めた作品集である。写真の1枚1枚が洞察力に富んでいた。そして、それらの写真がひとまとまりとなって、類のないピュリツァー賞受賞作となった。まさに全体が部分の総和に勝る好例である。
「私はいわば人々の『目の召使い』なんだ。その召使いは、自分がシカゴの街で見たものや、取材で移動中に頭に浮かんだことをみんなに見せてあげるんだ。それらの特別な写真は、まとまった記事になることもあれば、単に1枚の写真のこともある。でも、どれも紙面に掲載されることで、シカゴの息吹と読者にかかわる何かを伝えているんだ」。

ホワイトが1981年に生み出した作品は、サン=タイムズ紙の写真ページだけで30ページ分も掲載され、さらに12回の写真特集として発表されたということ。ピュリツァー賞に提出されたのは、規定の20枚だけで、さらに本書に掲載されているのはそのうちの3枚だけ。他の受賞作品についても同様なのだが、受賞したすべての写真が本書に載っているわけではない。まとまってみてよさが伝わる写真もある。

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