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清盛

Posted on 2012年3月11日 | No Comments


この作品は小説のようなスタイルになっているけれども、わたくし自身の手応えとしては、資料によって歴史的事実を探索し、推理し、ある程度は推量を交えて、これまでは隠されていた事実を読者の眼前に再現するという意図のもとに書かれたもので、評伝に近いものだと自分では考えている。

平清盛の物語。歴史的な背景、政治的な動き、複雑怪奇な婚姻関係、権謀術数で入り乱れる多数の登場人物、めまぐるしく変化する人間関係の力学――作者の言葉にあるとおり、資料による歴史的事実を重視した内容は、かなり読み応えがある。序盤は、登場人物それぞれの関係を把握するために、見返しに書かれた清盛関係図を、何度も見返しながら読み進めることになる。

白川院の御落胤かもしれないという出自を利用し、象徴としての天皇と、それを支える武士、という枠を超え権力の階段を登っていく清盛が、当時の社会状況や政治情勢を踏まえることで、具体的に見えてくる。

読み進め後半にいくにつれて、ごくごく普通の小説になっていくのが、少し残念。

清盛



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