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埋葬

Posted on 2011年12月16日 | No Comments

読み終えたそばから、はじまりに戻って2周目で確認したくなる衝動。語り手の不穏、じわじわとでも確実に破綻しはじめる告白、この居心地の悪さにとどまり続けたくなる不思議。

三十歳前後と見られる女と生後一年ほどの幼児の遺体が発見されたところから物語ははじまる。犯人の少年に死刑判決が下されるが、まもなく夫が手記を発表するのだが...

独白による混乱したようなズレていて冷静なような言葉の海が、ときに見開きのページを詩的に埋め尽くす。ミステリのようでいて、謎だとか真実だとかを突き詰めていく類の物語ではない。彼はなにを埋葬したのか。

「相手のセリフを言うのを我慢して、そのセリフの前に言うべきセリフを考えているうちに、もともと自分がどっちにいたのか、どっちでもいいや、どっちも自分で自分じゃないと思えばいいやと思って当てずっぽうで話すと、五十パーセントの確率なのに、なぜかいっつも相手のセリフを言ってしまうんだよね。でもあれってなんでなんだろうね」

埋葬 (想像力の文学)



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